20日、東京オリンピックの海外からの観客受け入れ断念が正式に決まる見通しです。オリンピック観戦に人生をかけてきたフランスの「オリンピックおじさん」の思いを取材しました。
フランス北東部に住むパトリック・グラヴィナさん(57)は大のオリンピックファン。自国開催だった1992年の冬、アルベールビル大会の開会式を生で見て以来、世界中の人々が集うスポーツの祭典の虜になりました。それ以来、夏冬合わせて14大会をすべて現地で観戦してきました。
「体の中にオリンピックの血が流れています。オリンピックに囲まれながら生活しています」(パトリック・グラヴィナさん)
自宅はTシャツやマスコットグッズなど、オリンピックゆかりの品々であふれています。
「これは、アトランタ五輪の聖火のトーチです。たとえ無一文になっても、このトーチを売り渡すことはできません」(パトリック・グラヴィナさん)
グラヴィナさん、当然、東京大会を楽しみにしていて、バスケットボールやフェンシングなど5枚のチケットを購入。宿泊先もすでに予約していたほか、実は2019年には大会本番の下見として日本を訪問し、日本語も勉強していたといいます。
「シブヤ、シブヤ。ニッポン、サイコウニッポン、カンペキニッポン。すばらしい!」(パトリック・グラヴィナさん)
しかし、海外からの一般観客の受け入れは断念される見通しに。グラヴィナさんは・・・
「新型コロナで全てがめちゃくちゃになった。東京大会に参加できないなんて、胸が張り裂けそうです」(パトリック・グラヴィナさん)
決められた感染対策は全て行うというグラヴィナさん、なんとか海外からの観客を認めるよう考え直してほしいと訴えます。
「私たちファンはただただ、東京オリンピックを見に行きたいだけです。真面目に対策は守りますので、日本の皆さん、海外観客を恐れないでほしいです」(パトリック・グラヴィナさん)
海外の観客受け入れをめぐっては先週、IOC=国際オリンピック委員会の総会で一部の委員からは、断念した場合の影響を危惧する声も出ましたが、バッハ会長は日本側の判断を尊重するとの考えを示しています。(19日16:00)