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2014年3月27日さいたまスーパーアリーナ
2014世界選手権のショートプログラム。浅田真央選手は、ソチでのSP失敗の挽回を胸に秘め、ノーミスの完全な演技を披露。
ライバルのユナ・キムがこれまで持っていたバンクーバーオリンピック時のSP世界最高得点を上回る78.66点(技術点42.81演技構成点35.85)を叩き出した。
ソチの敗因? ・・・それは、端的に言って「マネージメントの失敗」である。オリンピック直前にたくさんの特集撮影や取材、CM撮りなど受け、その分だけ練習不足(つまり、準備不足)となり、筋肉量が低下(逆に脂肪増加)して、本番に合わせたピーキングに失敗したのである。
ソチでの最初の試合であった団体戦に出場した浅田は、あごの線がぼんやりとして全体に体の線が太く見えていた。それは、個人戦のSPまで続き、スピンやジャンプなど、筋肉で制御すべき「体の軸」を制御できずに演技していたのである。
最終的に、ソチで、ピーキングを迎えたのは、最後のFSの本番当日であった・・・。
今回、世界選手権に臨んでは、前の轍を踏まず、上手くピーキングされているようである。余程のアクシデントがない限り、29日のFSも「エイト・トリプル」を組み入れれば最高の演技が期待できるであろう。
SP、FS、二つ揃えた最高の演技で、ライバルは先に舞台を去ったが、ライバルの総合得点での世界歴代最高得点の塗り替えも、遂に、叶う時が訪れるだろう。
ライバルを抜くこと。自分と闘うこと。それは、浅田流のライバルへの礼儀であり、自分自身の可能性への跳躍である。