“失格”を乗り越えて、テニス4大大会の1つ、全仏オープン・混合ダブルスで優勝を飾った、加藤未唯選手(28)。優勝後のスピーチでは「主催者が処分を取り消して、ポイントと賞金を取り戻せるように願っています」と話しました。
プロテニスプレーヤーには、世界ランキングがあります。ランキング上位に入ると、大会のシード権を獲得できたり、大きな大会の出場権を予選なしで得られるなど、選手にとって重要なものです。
このランキングを決めるのが、ポイントです。大会ごとに得られるポイントは違いますが、例えば今回の全仏オープンといった大きな大会になると、女子ダブルス優勝で2000ポイント、準優勝で1300ポイントと点数も大きくなっています。
また、出場するだけでもポイントを得られます。加藤選手は今回、3回戦まで進出していたので、その時点で240ポイントを獲得するはずでしたが、没収されてしまいました。
この240ポイントは、加藤選手にとって、どれほど大きいものなのか。最新の女子ダブルス世界ランキングを見ると、加藤選手は31位ですが、前後の選手とのポイントは僅差で、240点違うだけで、順位が4~5つ前後します。
また、加藤選手はシード権を獲得できるか、ギリギリの位置にいます。シード権を獲得すると、トーナメント序盤に、上位同士が当たらないなどのメリットがあります。今回の全仏オープン女子ダブルスでは、16組にシード権が与えられ、加藤選手のペアは16番目でした。
(Q.ポイントが今後の競技人生を大きく左右するということですが、優勝した混合ダブルスのポイントは反映されませんか)
混合ダブルスは、世界ランキングがないため、ポイントは入りません。そのため、今回の優勝が加藤選手のランキングに反映されるわけではありません。
(Q.加藤選手のポイントが返還される可能性はありますか)
関係者に取材をしたところ「大会運営側が一度、下した処分を再び覆す可能性は低い」と話しています。
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