「もう一度佐賀で陸上を」“三段跳び”に打ち込む許田選手 強さの秘訣は子ども達への指導か【佐賀県】 (23/11/22 18:40)

毎週水曜日はかちスポ。今回は、陸上競技の“三段跳び”に打ち込む男性です。10月の鹿児島国体では3位。あと1年を切った国スポでの優勝へ、自慢のジャンプに磨きをかけています。

ホップ、ステップ、ジャンプ!3歩の距離を競う“三段跳び”その頂点を見据え、3年前にふるさと・佐賀に戻ってきたのが…許田悠貴選手27歳です。

【許田悠貴選手】
「恩返しという面で帰ってきた。国スポ優勝がもちろん目標」

身長171センチ、体重60キロと小柄な体格の許田選手。その強さを支えるのは…圧倒的な助走のスピードです!

【許田悠貴選手】
「助走が速く走れないと跳べないので、とにかく助走を速く走るのは大前提。いかに速く走って、いかに一歩目を大きく跳ぶかを意識してやってます」

50メートル走は5秒9と、三段跳びの選手の中で足の速さはトップクラス。10月開かれた鹿児島国体でもトップスピードから繰り出すホップ・ステップ・ジャンプで自身3年ぶりに16メートル台を記録!成年男子で見事3位に輝きました。

【許田悠貴選手】
「助走のスピードをしっかり出すところと、跳び出すところ、ホップ・一歩目のところを5メートル80〜6メートルくらい跳ぶことだけを絞ってやった。そこがちゃんとできていたのであとは記録が付いてきた形」

そもそも、助走の勢いをスムーズな跳躍に繋げるのがどれほど難しいのか…初心者の私も体験してみました。

【橋爪和泉】
「全くできない…足がもつれて。普段何を意識?」
【許田悠貴選手】
「走ってくる勢いで何も考えず跳んで足をつこうとすると、どうしてもブレーキがかかる。そこで、自分から足をつきに行くとあまり減速せずにいける。早く地面に付くように意識したらまだマシになるかも(笑)」

もともとは“走り幅跳び”に打ち込んでいた許田選手。高校1年生の頃、県大会で“三段跳び”に初めて臨むと、いきなり優勝したことをきっかけに競技人生がスタート。

大学時代には日本選手権で3位に輝くなど第一線で活躍してきました。卒業後は愛知県の一般企業に就職。陸上から離れる決断をしましたが…。

【許田悠貴選手】
「あまりモチベーションがなくて続かなくて…その中で国スポがあると。そこに向けて“帰ってくるなら今しかない”恩返しという面で帰ってきた」

もう一度佐賀で陸上をしたい。3年前、九州で陸上スクールを運営する「アスリートリンク」に転職し競技を再開することにしました。

【アスリートリンク 段林大地代表】
「(許田選手は)土壇場に強いタイプ。後半になるにつれて記録が上がっていく。そんな試合展開を楽しみにしてほしい」

もうひとつ、許田選手の強さを支えるものがあります。

【許田悠貴選手】
「しゃがんだら、しっかり腕と一緒にタイミングを合わせて足もビョーンと伸ばしてね。OK?もうちょっといきましょう」

トレーニングではなく…子供たちへの“指導”です。この日は幼稚園生から高校生まで約30人を指導します。

【三段跳び・男子高校生】
「ダイナミックなジャンプをするところがかっこいい。助走から跳ぶ時のポイントとか着地とか丁寧に教えてくれる」
【100メートル走・女子高校生】
「自分でやって見せてくれるそれを見て動いたりしたら自分も(足が)速くなった」

なぜ指導が強さにつながっているのか?ここであるものを見せてもらいました。

【許田悠貴選手】
「大学時代につけていたノートです」
【橋爪和泉】
「感想とか、抽象的なことが書かれていますね」
【許田悠貴選手】
「自分が何気なくやっていた動きとか説明するのが苦手だった。子供たちに説明しながら「こういうことだったのか」と改めて認識する場面がすごい多い。(自分の)技術練習も今までよりレベルアップして、質高くやれている」

大学までは“感覚派”だった許田選手。しかし、後輩への指導でプレーを“言語化”することが、自分自身の記録アップにも繋がっています。国スポまで、約1年。さらなる高みを目指し、こだわりのジャンプに磨きをかけます。

【許田悠貴選手】
「僕みたいな小柄な選手でもスピードや技術、いろんな角度から記録を伸ばせる。目標は16メートル50くらい跳んで優勝がもちろん目標です!」

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